神戸学院大学学際教育機構・非常勤講師「食物危機管理論」シラバス
12月26日(水)から28日(金)までの3日間、神戸学院大学 学際教育機構の非常勤講師として講義を行います。教室は、ポートアイランドキャンパスB棟204講義室です。13回の講義は、26日(水):2,3,4,5限目27日(木):1,2,3,4,5限目28日(金):1,2,3,4限目に行いますので、全13回となります。シラバスは以下のようになります。この講義に関するお問い合わせは直接メールにてお願いいたします。〜〜〜〜〜「食物危機管理論」(後期集中・2単位)科目担当者:学際教育機構非常勤講師・野口孝則【主題と目標】日本は世界有数の長寿国となり、日本食は健康食として知られている。しかし、「現代の」という言葉をつけた「現代の日本食および食環境」はどうだろうか。食生活の不均衡からメタボリック・シンドロームが蔓延し、生活習慣の乱れによって小学生から社会人の朝食欠食の割合が多くなり、若い女性においては極度の痩せの割合が年々増加している。さらには、企業による表示偽装や期限切れ食品の利用、健康情報番組によるデータねつ造問題、鳥インフルエンザやBSEなどの食の安全・安心が脅かされているのが「現代の日本食および食環境」ではないだろうか。この講義では、まさに現代の食環境の問題点について情報を収集・分析し、地域や社会における解決策を議論・提案できる食物危機管理能力を養うことを主たる目的とする。また、私たちの心と体の健康は、健全な「食環境」の上に成り立つことを再確認し、生きる上での基本である「食」を見直し、知育、徳育および体育の基礎となる「食育」をキーワードとして、現在行っている最先端の栄養学研究(栄養疫学調査や予防栄養学)を紹介するとともに、栄養学をわかりやすく解説し、さらに、学校、家庭、病院、地域における保健、医療、福祉の実践栄養活動を紹介する。全ての世代において「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得することが出来るようにサポートし、健全な食生活からの「地域や社会の健康づくり」について考える。【提出課題など】レポート【評価基準】定期試験(50%)、出席点(25%)、レポート(25%)【テキスト】適時、参考文献や書籍を紹介する。あらかじめ購入する必要はない。【ホームページ】適時、参考HPを紹介する。 【授業計画】第1回 食物危機管理論〜概論〜健康、医療、福祉、介護、教育、環境、社会、情報などの問題と深く関わる「食」を見つめる。第2回 食物と人間・環境人間とそれを取り巻く環境について「食」の役割を認識する。第3回 健康と食現代の健康問題の現状・問題点とそれらに関わる「食」を取り上げる。第4回 医療・福祉・介護と食医療・福祉・介護の現場における現状・問題点とそれらに関わる「食」を取り上げる。第5回 食の倫理「食」に関する倫理的な問題を取り上げる。第6回 食の情報「食」に関する情報倫理的な問題を取り上げるとともに、食と健康の情報解析の手法を習得する。第7回 食と遺伝子最先端医療研究として行われる遺伝子診断と「食」に関わる課題を取り上げる。第8回 最新のトピックス鳥インフルエンザ、BSE、情報番組ねつ造問題などフード・ファディズムの問題を取り上げる。第9回 健全な食環境を目指して〜食育の重要性〜「食育基本法」「食育推進基本計画」について、その背景、目的、内容を解説する。第10回 教育現場における食育の現状と実践これまでに関わってきた保育所・幼稚園・小学校などにおける食育実践を紹介する。第11回 家庭における食育の現状と実践家庭において行うことが出来る食育実践について紹介する。第12回 地域における食育の現状と実践地域社会において行われている食育実践活動を紹介する。第13回 食物危機管理論〜まとめ〜この講義を通して得た「食」と「健康」に関する課題解決能力を活かし、今後の国、行政、地域における「健全な食環境づくり」とはどのようなものか議論し、出来るだけ多くの解決策を出し合う。食と健康をテーマに、社会に貢献できる知識と能力を養う。
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